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独断と偏見で選ぶ2009年のベストレース  ~世代交代 ~

2009年の競馬をふりかえる記事を年末年始に書く予定でしたが、年末に首と右肩を痛めてしまい激痛のため書けず。リハビリを経てやっとキーボードをまともに叩けるようになったので今更ながら去年の競馬をふりかえる記事になります。

去年も数々のいいレース、名勝負と呼べるレースがあり、競馬を楽しめた一年でした。

独断と偏見で選ぶ個人的なベストレース

フェブラリーS

非常に速いタイムが出る馬場でのレースで、純粋にマイルという空間を一番速く駆け抜けられる事が求められたレース。紛れのない東京マイルで一流馬の壮絶なゴール前の凌ぎ合い。
道中、「人気馬全部先行している」という実況が入りましたが、力のあるエスポワールシチーが逃げて、しかも時計の速い馬場である以上、前の馬の脚が止まった所を差すと言ったような悠長なレース運びは論外。
実力伯仲のG1レース。締まった流れの中、いかにロスの無いポジション、コース取りをし、限られた脚をどう有効に使って一番先にゴールできるかが勝負の分かれ目!
騎手のレースの本質を見抜く目、騎乗技術が問われたレースでもありました。このレースはとてもシビアな、一分の隙も許されない、まさにガチンコのG1レース!!

速い馬場を味方に単騎逃げから果敢に押し切りを図ったエスポワールシチー+佐藤哲三騎手は見事。
エスポワールシチーの後ろ2番手で4角を回りながら、この逃げ馬を早めに捕えに行かなかったカジノドライヴ+安藤騎手も見事。「敵は逃げ馬でなく、その後ろの馬」と当たりをつけ、直線で僅かに溜めを作り終いの脚を爆発させました。
カネヒキリ+ルメール騎手は終始コースの無い競馬。4角で最内を回り、直線で僅かに脚を溜めているカジノドライブの内に馬を併せに行き、この馬の類い稀な勝負根性に全てを託しました。
サクセスブロッケン+内田騎手はカジノドライブをマークして4角を回りましたが、4角を抜けた所での反応が悪いように見えました。それでも直線半ばからは内田騎手の猛烈な追い、鞭、それにこの馬の「前の馬を抜く」という闘争本能が相俟ってグッと前との差を詰め、ゴール直前でまとめて交わしました。

ダートのマイル戦における高いレベルでのスピード、スタミナ、それに馬体を併せてからもうひと踏ん張りできる底力が問われた1戦。非常に見応えがありました。
中身の濃い1戦で上位4頭はそのままダート界のトップ4。マイル適性云々ではなく、現時点で本当に能力の高い馬が上位に来たレースだったと思っています。


フェブラリーSをベストレースに選んだもう一つの理由として、このレースが世代交代を告げる象徴的なレースであった事も挙げておきます。
暮れのジャパンカップダートでエスポワールシチーが圧勝した後に実況で「世代が代わりました!」と入りましたが、世代交代は春に完了していたと思います。競馬の大きな流れの中で新旧勢力の能力曲線が交わる1戦がたまにありますが、それが2009年のフェブラリーS。

カネヒキリヴァーミリアン。ここ数年ダート界のトップに君臨し続けた馬で、この2頭がダート界を牛耳っていたと言っても言い過ぎではないかもしれません。
このレースはやや陰りが見えはじめた7歳になる名馬2頭と力を付けてきた4歳馬の成長(能力)曲線が重なったレース!
一番経済的なコース取りをした王者カネヒキリに4歳馬2頭が先着。おそらくこの後も上向きの成長曲線を描くであろう4歳になりたての2頭はこの時点で次の王者候補!

2009年のフェブラリーSは新たに王者になる者が今までの王者を破って新時代が来た事をファンに知らしめたレース

ちょっと古い話ですが、平成3年の5月場所初日、当時まだ十代であった貴乃花関(当時は貴花田)が横綱千代の富士関を破った相撲の一番を思い出します。
この一番を見て誰もが千代の富士関のそう先ではない引退と貴乃花関が後々トップに上り詰める力士である事を予感しました。そしてその通りになりました。

千代の富士関はこの歴史的な一番の翌日もう一度だけ土俵に立ちましたが、この一番にも敗れ土俵から身を引きます。目を真っ赤にさせながら「体力の限界!気力も無くなり、引退することになりました」という言葉を腹の底からひねり出したように見えた引退会見は印象的でした。

カネヒキリもこの1戦の後かしわ記念に出走、フェブラリーSでは先着したエスポワールシチーに敗れた後骨折している事が判明。あれから7か月以上経ちますが復帰の予定もなし。おそらくこのまま引退なのでは?

この両者に共通する事は一時代を築けるだけの器を持った紛れもない王者である事。千代の富士は肩の脱臼癖、カネヒキリは屈腱炎と現役を続ける上で致命的にないかねない怪我を克服して長らくトップに君臨した王者であった事。そして上に書いたように新しい時代の王者に敗れて引退に至る(事になりそうな)こと。

「盛者必衰」とは世の理。どんなに強い王者でも必ず力が衰える時が来ます。
スポーツの世界にはその時代時代に王者と呼ばれる者がいます。その中でもタフな闘いの中、自分を上回る者が出るまで長らく王者(他の者の目標)であり続け、自分を越える新たな勢力が現れた時に、自身の力が衰えたと自覚し、潔く引退する者が本当の王者、king of kingsなんじゃないかと思っています。

王者の最後の役割は次の王者がその座を得るために乗り越えなくてはいけない壁になる事。
そしてその壁を乗り越えられてしまう1戦が必ずあります。それが世代交代の1戦。この1戦はその分野の競争がシビアであればあるほど突然やってきます。少なくともファンにはそう感じられます。

世代交代の1戦までトップであり続け、その1戦に敗れる事で力の衰えを自覚して潔く身を引く。これが真の王者!
この辺りが個人的な王者の理想像なので、負け知らずで強いまま引退していまうタイプや明らかに力が衰えているのに現役を続けるタイプは王者としての魅力に欠けると思っています。(後者のタイプは選手としては魅力があったりもします。)

世代交代の1戦まで王者が現役で頑張る事はスポーツであれ何であれ、その分野の活性化、レベルアップに大きく貢献する事になります。
この貢献を大きな遺産としてその分野に残して、自分は身を引き、新しい才能が活躍できる場にする。これが個人的な王者の身の引き方としての理想。シビアな競争社会では健全な循環だと思います。

世代交代が顕著な分野はそれだけ競い合いがシビアだと言うことなので魅力を感じますが、逆に世代交代があまり感じられない分野は大概才能の競い合いになっていないもので、興味が持てないことが多いです。

世代交代の1戦はずっと王者であり続けた者が衰えを見せるわけですから一抹のさびしさを感じます。同時に新しい才能を喜ぶ楽しみもあります。特に前王者のファンだった方は複雑な心境なでしょうが、新旧王者の入れ替わる世代交代の1戦は、やはり競馬を見る上での醍醐味であります
日本の競馬はダートより芝の方がレベルが高いと思っていますが、ダートのレースとは言え、世代交代を目の当たりし、且つ非常に質の高かったフェブラリーSが今年のベストレース!!!


最後に新王者の方。こちらは順調には行きませんでした。

前王者カネヒキリに先着したサクセスブロッケンとカジノドライヴのどちらがこの後のダート界の新王者として君臨するかに興味がありました。
ところがサクセスブロッケンはフェブラリーSの激走の影響があるのかその後この馬らしくない走り。(年末の東京大賞典は勝ちましたが、負かしたのは世代交代後のヴァーミリアン、しかも僅差。3着馬との差を考えてもフェブラリーSほどの輝きは無いように思えます。)
カジノドライヴはフェブラリーSの僅か1ヵ月後にドバイWCの挑戦し、屈腱炎を発症。復帰にはかなり時間がかかるとの事。
個人的にはまだまだ成長の余地を隠し持っていそうなカジノドライヴの方が楽しみだったのですが、競走馬として一番充実する時期に長期の休養はとても残念です。

結局、春の時点でNo.4だったエスポワールシチーが秋にかけて更に力を付け、JCダートを圧勝しダート界のトップホースになりました。できる事ならサクセスブロッケン、カジノドライヴも順調に秋を迎えて、この3頭による熾烈な覇権争いが見たかったものです。

怪我をしない事、タフである事も王者の証し。自らレースを引っ張りフェブラリーSをタフなレースに仕立て上げ、0.2秒差の4着。その1ヵ月後にはレースに出て、以後4連勝。競走馬としても完成されたと言っていいレベルに達し、エスポワールシチーは同世代の2頭のスランプや故障云々を抜きにして立派な新王者と言っていい馬だと思っています。

最近のダートの王者は息の長い活躍をしていますが、この新王者はどんな活躍を見せてくれるのでしょうか?

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